政府援助法人GSEは政府系住宅金融の米国版特殊法人。
日本で言えば、住宅金融公庫みたいな機関といえば分かりやすいでしょう。
設立当初は政府系金融機関だったが、
アメリカ政府が、国内の住宅供給の安定化を目的とした
特殊法人であるGSE(政府援助法人)として設立。
1968年に民営化して、ニューヨーク証券取引所へ上場。
主たる業務は、民間金融機関に対する住宅ローン債権の保障業務や貸し出し。
低利での資金調達を元に拡大を続け、
なんと、米モーゲージ市場の半分ほどを占めている。
モーゲージ市場の証券化の発達で、米国債規模を上回る市場があり、
サブプライム・ローン問題発生までは、
発行された証券は政府機関債と同等の価値と判断され、
米国債に準ずる高い信用があった。
2000年を越えたあたりから、
複雑かつ巨大化したGSE金融システムへの不安の声と警戒感が高まっていた。
※GSEと言えば主にファニーメイとフレディマックの2社を指す場合が多い。
下記の4つの民間企業があります。
・「GNMA」-政府抵当金庫
公的保険付き民間住宅ローン証券化商品(FHA 保険・VA 保険付債権)の
投資家への元利金支払い保証の業務
・「Fannie Mae」-連邦抵当金庫
民間住宅ローンの買取り又はMBSとの交換業務及び、
発行証券の投資家への元利金支払いの保証の業務
・「Freddie Mac」-連邦住宅貸付抵当公社
民間住宅ローンの買取り又はMBSとの交換業務及び、
発行証券の投資家への元利金支払いの保証の業務
・「FHLBS」-連邦住宅貸付銀行制度
12地区FHLBの信用準備及び、加盟金融機関への資金供給と
金融機関を通じて住宅購入者へ直接融資
今週はGSEである、ファニーメイとフレディマックに振り回された感じでした。
先のイスラエル軍事演習報道に加え、民間の政府系住宅金融である、
ファニーメイとフレディマックの株が大幅安となり
米国債への格下げ懸念も出てきたようです。
ファニーメイやフレディマックは、アメリカの住宅市場で重要な役割を担っています。
たちが悪いことに、日本に限らず世界中の大銀行も、両社発行の証券化された株を
相当量保有していると考えられます。
信用収縮につながる両ニュースは、米経済の不安をあおり、
更なる、原油高騰や米株安に拍車をかけています。
また、PIMCOによるリーマンブラザーズラインカットの噂もニューヨークで話題。
サブプライムのみならず、複雑かつ、深い階層までの矛盾構造で成り立つ、
アメリカ金融はまだまだ多くの難病を抱えています。
いよいよ米国の金融崩壊が起こりそうな懸念を感じさせるがごとく
ポールソンとバーナンキの悩める姿(笑)の写真もロイターで確認出来ました。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-32696520080710
BBCの報道もとても気になっています。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7500342.stm
もしかして、ターゲットは「無防備」な「パイプライン」かな。
これなら簡単に破壊できますから・・・・
・追記
米国の金融市場と実体経済のリスク発展への懸念と
GSE破綻時に無防備な状況であることを、2003年8月のみずほ銀行リポートで、
「米国住宅金融のリスク」と「GSEの問題点」を掲げていた
アメリカの強い通貨を主張するのに対し、
ドル高を歓迎する地域と歓迎しない地域がはっきりと分かれている。
今の為替は実に不自然な動きをしている。
状況的に、どう考えてもドル安になりそうな気がするが・・・
先日の欧州金利利上後の会見で、トリシェECB総裁は、
異例ともいえる発言である(本音とは反対)「強いドルは米国の国益だ」と言明。
また、金融政策スタンスとして、ノー・バイアスとしたことで、
市場が期待していた、追加利上げが今年中に無いこと示唆したため
一時的なドル高になっているようです。
「強い米ドル」と何度も口先発言するのはいいけど、
弱体化しつつある米国経済事情ははっきりしていること。
はて、このドル高もいつまで続くことやら?
・気になるデータ
日本の使用資源輸入額(対名目GDP比)は石油ショック当時6%だった。
第三次石油ショックと言われる現在、なんと5%台まで上昇しているのだ。
この数値は資源輸入大国である日本の大変危険な状況を表している。
そんな状況を解決すべく、洞爺湖サミットで、
原油・食料高騰に環境問題が話し合われるのだが、
今日は各国の本音がぶつかる、G8の力量も問われる日です。
投機筋らに足下を見透かされないよう、
なんとか解決へ向かう具体案を出していただきたい。
株価の10日連続下落は、証券不況となった1965年以来だそうです。
10日間で▲1166円の株価下落。主に売られたのは銀行と自動車の株でした。
アメリカへ2008年6月度に売られた日本車の新車台数が、大幅減の▲18.3%となったことが要因。
今日のNYダウも▲166.75安となりました
ちなみに6月のNYダウは1ヶ月で▲10%でした。1ヶ月の下げ幅では2002年以来だったそうです。
資源を持たない新興国の高インフレによる経済悪化と株価下落はひどい状況で
インドは年初来からの株価下落率は▲36%で、ベトナムにおいては下落率はなんと▲60%に。
日本経済の外需を支える新興国経済の悪化とアメリカ経済不振が加わりこのような結果に。
投機筋が原油先物市場から撤退し、価格が自然に低下することが
理想的な流れですが今のところそれは望めないでしょう
先の洞爺湖サミットで政策協調や経済対策へ何も手を打って来ないことになれば、
投機筋に足下を見透かされ一段と原油高騰が進むのではと懸念されています。
※原油先物相場は買いが継続していて。一時144.32ドルと史上最高値を更新。
一方、ユーロは開始以来独歩高ですし、欧州株も堅調です。
ところで、米財務長官ポールソンとECB総裁トリシェは
何を話し合ったのでしょうか?気になるところです。
昨日のEU関連声明については、
トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が「金融政策についての話はしない」
欧州委員会のアルムニア委員(経済・通貨問題担当)が
2日に「ユーロは過大評価されているようだ」とのコメントを示したのみでした。
いずれにせよ、本日の20:45発表の欧州ECB・政策金利発表と、
21:30欧州トリシェECB総裁会見には大注目です。